October 21, 2012

「空(くう)」 ~ある街角の手相家の物語~ (11)

阿倍曇名は、旅館の中を一通り、回ってから、
温泉に向かいました。

曇名は、いつも、泊まる宿に着くと、
その宿の間取りや立地が気になり、一通り把握しようと、うろうろするのでした。

曇名と一緒だと、避難経路などを把握しているので、安心だと
友達に云われたことがあるくらい、必ず、把握していました。

曇名は、風水も占いを学ぶ際にちょっぴり、興味があり、
いつも、お店や、旅館などに伺った際、
勉強のために、間取りやコーナー、調度品などを観るのも
とても愉しみのひとつでした。

曇名は、美術品や骨董品もかなり好きで、
調度品の中に、光る品を見つけると、
時に、10分以上、立ち止まって見入っていることもあるのです。

そんな曇名が、温泉を目指して、
脱衣所の暖簾をくぐると、篭が置かれたロッカーがありました。

脱衣所で気になるのが、マット。
マットがびしょびしょであれば、
それだけで、かなり曇名のテンションは下がってしまいます。

湿気は陰気であるので、そこへの細やかな気配りがあると、
かなり印象がよくなるのです。

清潔感のあるマット、このマット、どこかで見た、
すぐに乾く抗菌性のマットだ。
風呂好きの友達から聴いていた噂のマットだった。

曇名は、細かいことが、時々、思いのほか、気になるのでした。

浴室は、普通の湯船でしたが、
なんだか、懐かしいような温かさを感じる空間でした。

温泉は、肌触りのいい、単純泉・・・。
曇名は、手足を伸ばして、「はぁー」と息を吐いて、
リラックスして、しばし、ボーと、湯船に身体をゆだねていました。

曇名は、疲れるといつも温泉で一時間くらい、
湯船に身体をゆだねて寝ることが
至福のひと時となっていました。

今回も、長旅の疲れが、あったのか、
30分ほど、湯船に浮かんでいたのでした。

かなりの長風呂の後、
部屋に戻ると、食事の用意がされていて、
帰られましたら、フロントまでご連絡をとメモが残されていました。

そのメモにも、
湯加減いかがでしたか?
ゆっくり、おくつろぎいただけましたか?
曇名さまの心も身体もほっこりするようなおもてなしが
少しでも届くよう、一同、心がけております。
女将 

と、手書きの和紙のメモ用紙に書かれていました。

手書きというだけで、
曇名はほっこり、心が癒されていくのでした。

小さなちょっとしたことに、気を配ること。
これが、一番、感動するんだなぁって、
改めて、女将から教わった曇名でした。

食事が終わって、一日の最後に、気分転換に、ロビーに、向かった曇名。
外を見ると、きれいな星空。

星空に誘われるように、外に出て、空を見上げる。
曇名は、一度、何かを見ると、だいたい2~3分は、じっと見続けているのでした。

ふと、後ろに気配を感じて振り返ると、
そこには、女将さんの姿が・・・。

女将のさゆりさんが、
「私たちの旅館、どうですか?」
と、静かに尋ねました。

曇名は、女将の顔をじっと観て、小さく、力強くうなずくだけでしたが、
そのうなずきの中には、
ここ数ヶ月の女将の想像できないくらいの努力を受け取り、
ねぎらいの気持ちがこもっていることを、
さゆりは、感じました。

これから、毎年、来てください。
そして、私たちの旅館のこれからを是非、見守ってほしい。
と、曇名に頼みました。

曇名は、ちいさくうなずき、また、
目線を星に向けました。

曇名にとって、このような出逢いがなによりうれしいのです。
そのためなら、いつでもアドバイスを差し上げるのです。

曇名は、これから、毎年、
さゆり女将の旅館を訪れるのでした。



~つづく~


手相・風水についての問い合わせは、
メディカルケアウォークの問い合わせ、もしくは、直接、お電話ください。
施術場所は、大阪 中津 
なかがわ整骨院、もしくは、出張(全国)にてお受けいたします。

yujihiwasa at 02:07│Comments(0)手相物語「くう」 

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