October 23, 2012

「空(くう)」 ~ある街角の手相家の物語~ (9)

百代さんの手の平が写っている写真
そのデータが入っている携帯を見つめながら、
同じ千代さんの腕を持って、手の平を自分のほうに引き寄せ、
観比べるように観ながら、

百代さんの今の病について、
千代さんにいくつか尋ねました。
「百代さんの今のお身体の状態はどんな状態ですか?」
「百代さんが、今の症状の前兆となるような身体の変化が、もしかしたら、58歳の頃にあったかもしれない。」
「手相のこの線を観てほしいのですが、・・・」
「ちょっと写真なのでわかりにくいかもしれませんが、・・・」

千代さんが写真を覗き込みます。
「えっと、これですか?」

曇名が頷きながら、
「そうです。これです。ちょっとわかりにくいのですが、・・・」
「この線は、千代さんには、ないですよね。」
「ないというより、薄くあったような跡があるにはあるのですが、ほとんど気にならない線になっています。」
千代さんの顔を観て、笑顔で、曇名が続けます。
「千代さんも、お身体の状態になんらかの変調はあったかもしれない。同じ58歳の頃、・・・」
「しかし、千代さんは、そのような変化も家族のエネルギーに助けられたと想われます。」
「ちょうど、お孫さんが生まれたころも、58歳ですよね。」
「子供が生まれるってとても運気が上がるんですよ。」

曇名が、どんどん手相をみながら話してばかりで、
千代さんの返事が追いつかない。

曇名のいつもの悪い癖、
手相を観て、手相からのメッセージを受け取ったら、
息もつかせないくらい、話し続けてしまう。
曇名にとっては、メッセージを受け取ったら、できる限り、伝えたいという熱い想いから
気づくと、いつも話し続けてしまうのです。

曇名が、ふと、手相から顔を上げて、
千代さんを観て、今度は、携帯の画面に映る、百代さんの手の平を覗き込みました。

もう一度、今度はゆっくり、曇名が尋ねました。
「百代さんの今のお身体の状態は?」

千代が、妹のことを話すときはいつも少しうつむきがちになります・
「昨年の10月、もうすぐ1年になります。」
「ちょうど、秋の行楽シーズンで、主人と二人で、京都に旅行に行ってた時です。」
「急に倒れて、白血病だと診断されて、今、闘病生活を送っています。」

曇名が、
「手相から、血管になんらかの症状かと感じていましたが、白血病でらっしゃるのですね。」
言葉を詰まらせながら、
「白血病の症状、治療が今、とてもお辛いのですね。」
「闘病されている百代さんのご様子を見られると、いたたまれないくらい苦しまれているのですね。」

「立ち入ったことをお聴きしますが、百代さんの旦那さんやご家族は・・・」
言葉を選びながら、静かに問いかける曇名、

千代がぽつりぽつり、話し始めました。
「妹は、結婚していたのだが、数年前に離婚して、今は独り暮らし、・・・」
「子供は、海外で、結婚して、なかなか日本には戻ってこれなくて、・・・」
「入院した当初は、日本に戻って1ヶ月ほどは妹のそばに居てくれてたみたいだけど、・・・」
「妹の方が、そばに居てくれることはうれしいけど、娘の人生のじゃましているようで苦しいって云って、・・・」
「娘を追い返しちゃって、・・・」
「妹は、私と違って、気丈で、自分で絶対治すってがんばっていて、・・・。」
「私にも、弱音を絶対云わないんです。」

曇名は、深く頷きながら、千代さんの心のうちを精一杯、受け取ろうと必死でした。

そして、
百代さんについて、
いくつかのアドバイスをさしあげて、
最初にお聴きした、運勢の違い、
バイオリズムの違いについて、すこしだけ話し始めました。

「あくまで、私の考えですが、・・・」
「双子の方で、生まれた時間も数分の差で、ホロスコープや四柱推命も同じであっても、・・・」
「運勢やバイオリズムに違いが出てくることは多くあります。」
「多くの場合、同じ気質でも、それが、表裏、どちら側が強く出ているかによって、
 一見、まったく違った気質に見えたりします。」
「たとえば、頑固な性格がいい方向に出たら、こだわりを持った、信念を貫いて夢を実現する人になるでしょう。」
「しかし、逆に、頑固で、人の話を聴かず、意固地になっていたら、どうでしょう。」

「それ以外に、私は、バイオリズム(気質要因)と環境の要素の総和が運気だと考えています。」
「そういう視点で、私は風水のアドバイスも差し上げています。」
「また、名前の違いによる運勢の変化もあります。」
「極端な例に例えますと、同じ双子でも、1人は、天使って名前で、悪魔って名前だったら、どうでしょう」
「名前が持つイメージが、その方のセルフイメージに影響することは容易にイメージできるでしょう。」
「悪魔なんて名前をつけることはないと想いますが、昔、つけようとして騒動になったことありましたけどね。」
「千代さんと百代さん、千と百の文字を見て、その文字が持つイメージの違いってありませんか?」
「そんなイメージの違いや、呼ばれた時の音の響きの違いもあります。」
「千代って言葉を発する時に起こる、口腔内の響きがもたらす心地よさ」
「百代って言葉を発するときに起こる、口腔内の響きがもたらす心地よさ」
「発するときだけでなく、そう呼ばれる時、無意識に反芻しているのです。」

「運気は総合力です。」
と、いろいろな視点から、曇名は考える至っていました。
曇名は、それらのことを、できる限り、丁寧に伝えるのでした。

千代は、疑問が少し晴れて、ほっとした様子でした。

だんだんと笑顔が戻ってきました。
「妹のこと、また、相談にくるかもしれません。」
そういって、千代は曇名に頭を下げ、
駅の方に戻っていきました。

百代さんのお身体については、ある方を紹介しました。
その方がなにかしら、お手伝いできるかもしれないと感じたからです。
曇名が、人を紹介することはほとんどないのですが、
自分では、どうしても力不足と感じ、
それでもなにかしら、
自分との出逢いが、きっかけになってほしいという想いから、
お身体のことについては、
ある方を時々、紹介していました。



~つづく~


手相・風水についての問い合わせは、
メディカルケアウォークの問い合わせ、もしくは、直接、お電話ください。
施術場所は、大阪 中津 
なかがわ整骨院、もしくは、出張(全国)にてお受けいたします。

yujihiwasa at 01:25│Comments(0)手相物語「くう」 

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