October 27, 2012

「空(くう)」 ~ある街角の手相家の物語~ (5)

その手相家の名前は、阿倍曇名(あべのうんめい)という。
まだまだ、駆け出しの頃・・・。

手相を観るという事は、「相手の方の人生を垣間見ることだ。」と
曇名は、師匠から、常々教わっていました。

ある日のこと、その日は、地下鉄(都内)の出口を出て、
少し歩いたところにある薄暗い路地の片隅に座っていました。

どうして、そこに座っていたかというと、
そこは、薄暗い路地とはいえ、
必ず、その駅を利用している方のうち、
電車が停まって、何人かの方が降りるたび、通る場所でした。
しかも、そこは、狭く、必ず、曇名と目が合うのでした。

曇名の手相以外の唯一の特技として、眼力(自称です)、
曇名は、澄んだまなざしで座ったまま、行き交う人達を見つめると、
立ち止まらせてしまう、という自信を持っていたからでした。

実のところ、曇名の眼力ではなく、
曇名が座っている横に立てかけてある、アイテム、
時々、手に持っている、
自分の顔(頭)がすっぽり入るくらいの大きさのレンズの虫眼鏡に
びっくりして、二度見するために、立ち止まってしまうわけなのですが・・・。
一番びっくりするのは、
その大きな虫眼鏡を顔の前に頭がすっぽり隠れるように曇名が持っている時・・・。

想像してみてください。
街角のしかも、薄暗い路地で、
首から上が巨大虫眼鏡の顔をした人間?らしき物体が座っている様子を・・・。


一人の女性が、曇名に手相を観てほしいと話しかけてきました。
その女性は、歳格好は、一言でいえば、
おしゃれで、ブランドものを品良く、身につけていらっしゃる少し年配の方です。

その女性の方のお名前を仮に千代とさせていただきます。(千代は仮名です。)
どこかでお聴きしたような、聞覚えのあるお名前でした。

(後日、その名前の方を雑誌でお見かけするのですが・・・。)

「私、とても人生に満足しているのです。」
「今、とても幸せで、すべてがうまくいっていて・・・。」
「会社も順調で、・・・。」
「自分の息子の嫁も、とても優しく気がついて、息子夫婦が後を継いでがんばってくれているんです・・・。」
「おかげで、私も主人も楽をさせてもらって、趣味にのめりこんで、今度、その趣味が仕事になりそうなんです。」
「そうそう、先月、孫も生まれて、それが、とてもくりっとした目がかわいくて、・・・。」
「今日は、仕事の取引先への主人の出張に同行して、東京に来たのです。」
「合間に私は趣味のあこがれの先生に逢いに伺って、その帰り・・・。」
「このあと、主人と金婚式のお祝いをしようと待ち合わせのホテルに向かうところ・・。」

千代さんは、笑顔で幸せいっぱいのエネルギーに満ち溢れていらっしゃる様子が
曇名にも伝わってきました。

そんな千代が私、曇名に手相を観てほしいという・・・。
曇名もこんなことは、初めてです。

手相に限らず、一般的にいう占いというものを受けたいと想う多くの方は、
なにかしら、悩んでいらっしゃることがあって、そのことについて観てほしいと来られるのです。




~つづく~


手相・風水についての問い合わせは、
メディカルケアウォークの問い合わせ、もしくは、直接、お電話ください。
施術場所は、大阪 中津 
なかがわ整骨院、もしくは、出張(全国)にてお受けいたします。

yujihiwasa at 09:43│Comments(0)手相物語「くう」 

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