October 29, 2012

「空(くう)」 ~ある街角の手相家の物語~ (3)

曇名は両手のひらの手相を一通り観させていただいた後、
「具体的にどんなことが知りたいですか?」
と、おもむろにさゆりさんに尋ねました。

「どんなことって・・・」
彼女は、窮している今をなんとかしたいという気持ちばかりで、
具体的に何が知りたいか?そこまで想いがまわっていなかった自分自身に気づいた。

曇名は、そんな戸惑っている彼女をぼんやり見つめながら、
「手相にも、いろいろな観方がありまして、・・・。」
「あなたの性格や気質、など通り一遍の話をして、合っている、すごい、」というようなことも云えます。
「実際にあなたの知能線がこのようになっていますので、とてもこつこつと一生懸命がんばっていらっしゃる方であると想います。」
「恋愛相談なら、相性や運気をお伝えし、開運方法をいくつか、アドバイスできます。」

「さゆりさんにとって、今日、私と出逢ったことが、何かのきっかけになってほしい」のです。
えらそうなことは云えませんが、悩みは解決しません。
問題は解決することができます。

さゆりさんのお悩みを具体的な問題として、お聴きして、
それを元に手相からメッセージを読ませていただきたいのです。

問題をお聴きすると、その問題に対するメッセージを発している手相の線が反応してくれます。
その小さな僅かな線の声を私は拾い上げます。

「えーっと」
さゆりさんが、不可思議そうな顔で私に質問しました。
「旅館の経営がこれからどのようになるか?どうしていけばいいか?」
を教えてほしい。

曇名は、よしとばかりに、深くうなずいて、
彼女の右手にさっと手を伸ばして、手のひらを自分の胸元まで近づけ、覗き込みました。
(実は、曇名には、右手の運命線と生命線の反応を逃さなかったのです。)

時間にして10秒から20秒・・・。
曇名は、ただ手相を観て、なにやら、ふむふむ、うんうん、とうなずくばかり・・・。

その後、想い出したかのように、曇名が、
「そういえば、さゆりさんの年齢をお聴きしていませんでした。」
「今、おいくつでらっしゃいますか?」
と、
「55歳です。」
それを聴いて、なにやら、手相の線を指で刻んでいく曇名、

「誕生日はいつになられます?」

「えっと、8月28日です。」

今日が、6月25日だから、
「今年の誕生日で、56歳になられるんですよね。間違いないですよね。」
「手相では、運気の1年の始まりを1月1日ではなく、その方の誕生日から始まるので、・・・。」
失礼ながら、詳しく教えてもらったのです。
曇名が運気の始まりを説明しながら、

「旅館の営業が芳しくなくなり始めたのは、さゆりさんが50歳の頃ではないですか?」
「今度の誕生日で、56歳でしたね。」
「56歳まで、生命線にサインが出ていまして、手相からはそのように感じました。」

さゆりは、そういえばというように、想い返している様子、
曇名は、続けます。
「たしか、今日も旅館の営業でこられていたのですよね。」
「具体的にどんな営業されてこられたか?差し支えない範囲で教えていただけますか?」

「えーっと、今日は、大手旅行代理店さんを回って、私どもの旅館を使ってもらえるようにお願いに・・・。」

うなずきながら、曇名が、続けて質問、
「ほかに、旅館のことで考えられていることはありますか?」

「来月から、新しいプランを作って、それをネットやいろいろな方法で知ってもらって、・・・。」
「このプランがうまくいかないともう、・・・」
「再建のめどがなくなって、銀行には再生法を検討すると言われていまして・・・。」

それを聴いた曇名が、手のひらから目線をさゆりさんの方に向けて、
「そのプラン、来月からじゃなく、再来月の8月からにしませんか?」
手相には、8月から始めたことは必ずうまくいくと出ています。
「もう一度、プランを練り直してみませんか?」
「その際、旅館の強みは何か?」
「誰に来てほしいか?」
「何ができるか?」
を、考えてみてほしいのです。

お聴きする限り、たくさん強みがありすぎて、絞りきれていないのではないかと感じます。
強みと弱みは紙一重です。

ここで、お伝えしたい手相の線があります。
「この線なのですが、・・・」
(曇名が、ボールペンの先でなぞりながら)
「この線がですね、今は、少しまだ、薄いと想います。」
「この線が、新しいプランが決まった時に、もう一度確認してほしいのです。」
「成功するプランであれば、この線が、濃く見やすくなっている、もしくは、線が深く、太くなってきます。」

手相は、今の状態を表してくれるのです。
この線が、今のあなたにとってとても大切な線だと思います。
旅館経営の場合、ご主人さんの運気も関係してきますので、
必要なら、ご主人さんの写真をとって送っていただければ観させていただきます。
なので、はっきり、今、断言できませんが、

50歳からの6年間とても大変な時期を、
さゆりさんは、がんばって乗り切ってこられたのだと、
私は感じています。

そして、その大変な時期は56歳の誕生日までで終わります。
運気の移行期間として、半年くらいは前の運気の影響を少し受けますので、
完全に開運するのは、来年の2月以降、必ず、努力が報われ始めます。
努力したことが、必ず、実る手相です。

また、大変な6年間の残り2ヶ月のすごし方ですが、
このときは、自分が報われない時期です。
しかしながら、誰かのために、必死になって、自分の成果は考えずに行動すると
うまくいく時期です。
あと2ヶ月ですが、そのような意識で、取り組んでみてください。
すぐに旅館の営業に直結しないようなことが、
後々、お客様を呼んできてくださるようなご縁に結びつく時期です。

あと、2カ月を乗り越えると、必ず、春がやってきます。

曇名は、希望と未来の開運を手相からのメッセージとして淡々と伝えたのでした。


さゆりは、あっと時間をみて、終電の新幹線に間に合うようにと、
曇名に、頭をさげ、お礼を云って、走って去ったのでした。

その後姿は、何かの重しがとれたように、
軽やかに曇名の目には映りました。

そして、ほっと、一息、缶コーヒーを飲むのでした。



~つづく~


手相・風水についての問い合わせは、
メディカルケアウォークの問い合わせ、もしくは、直接、お電話ください。
施術場所は、大阪 中津 
なかがわ整骨院、もしくは、出張(全国)にてお受けいたします。

yujihiwasa at 01:53│Comments(0)手相物語「くう」 

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